『図書館戦争 THE LAST MISSION』感想”岡田准一の熱い目線を楽しむ映画”
映画『図書館戦争 THE LAST MISSION』を見た感想をネタバレなしで書いています。アニメのファンであり原作も読んだことのある人間ですが、前作よりも緊張感とラブ要素が増えてなかなかに楽しめました。
リリース情報
日本公開日:2015年10月10日
簡易感想
私的好き度:★★★☆☆
笑える:★☆☆☆☆
泣ける:★☆☆☆☆
怖い:☆☆☆☆☆
スカッとする:★★★☆☆
ドキドキする:★★★★☆
心があったまる:★★★☆☆
憂鬱になる:☆☆☆☆☆
映画感想
アクションにラブに思想のぶつかり合いと、様々な要素が詰め込まれたエンタメ作品!
2013年に公開された映画『図書館戦争』の続編ですが、前作同様に図書隊と表現の自由を規制するメディア良化委員会との戦いを軸として描いた作品です。
さて改めて何で戦争してるか確認しますと、メディア良化委員会と図書隊の戦いは主に本の検閲とそれを阻止するために行われています。
もちろんその本の取り合いの背後には、表現を規制した方が平和な世の中を作れるでしょ!という考え方と、表現の自由があることこそ理想の世の中である!という考え方の二つの主義思想のぶつかり合いがあるわけです。
こういう表現の自由をめぐる対立は現実世界でも常にメジャーな問題とされて起きていて、それほどに私たち人間にとっては表現の自由は考えるに大いに価値のあるものだということでしょう。
けれどもやっぱり映像で戦闘シーンをみていて思ってしまうわけです。
「たかが本に何で命をかけないといけないのか」って。
命をかけて本を守るということは見ていて結構シュールだなと思うし、こんなことをして意味はあるの?と思ってしまいました。
この世界の中でも同じようなことを思う人間はもちろんいます。それが今作で新キャラとして登場する手塚慧(松坂桃李)。彼は主人公、笠原郁(榮倉奈々)の同僚である手塚光(福士蒼汰)のお兄さんであり、文科省で未来企画という怪しげなセミナーを開いてる人間でした。
彼の言い分はこうです。「表現の自由のために武力闘争をすることが世の中を悪くしているのは確かだ。 戦争を辞めさせ、交渉で世の中を変えるべきだ」と。
メディア良化委員会の検閲がますます厳しくなる中、図書隊のあり方に疑問を呈す考え方、そして表現の自由をめぐる図書隊とメディア良化委員会の三者三様の主義思想の対立が続編である今作では描かれていました。
血を流してまで本を守る必要があるのか?その価値がこの世の中にあるのか?
流石の『図書館戦争』。今の日本に繋がる強いメッセージ性に心が揺さぶられました。
しかしそんな重たいメッセージ性のみが見どころの作品ではないんですよね。『図書館戦争』はラブがいい。そして映像化によってもう一つの魅力になったアクションがいい。緊迫感溢れるアクションシーンとニヤニヤしてしまう恥ずかしいくらいのラブシーンがこの作品の見どころなのです。
そしてどちらの要素の魅力をも増幅させているのが、他でもない”岡田准一”という存在であることは間違いないでしょう。この作品のアクションシーンには全体的に派手さは少ないけれど、岡田師範のところどころに入る戦闘シーンがアクションパートに波を作り出しています。
もちろん岡田准一がいないとアクションシーンはダメだなんてそんなことは決してなく、多くの時間を占めるアクションパートはとても緊張感のあるものに仕上がっていたと思います。映画館には初日ということもあり人に溢れていましたが、物音がほとんどしないくらいに見ている人が集中していたようにも感じましたね。
そして私が一番楽しみにしていたラブに関してですが、私はこの映画は岡田准一の熱い目線を楽しむ映画だとも思うんですよね。
とくにかく岡田准一が演じる堂上教官は笠原を見るのです。見まくるんです。彼女が見つめる先と反対のところで、チラッてどころじゃなくてガン見。岡田准一のあの日本人離れしている力強い目で熱い視線を送りまくります。
そんな岡田准一の良さを活かし、堂上教官の笠原に対する守ってやりたいという思いと不器用さがこの熱い視線にこめられているように思いました。
力強い眼差し、細めた優しげな眼差し。岡田准一のかっこよさを目の演技で再確認することが出来ます。
全くかっこよすぎますね、この生き物。(にわかファン歴7年)
そして笠原の方はどうなのかというと、前作と特別ドラマを経て堂上教官が自分を助けてくれた王子様だと確信した彼女ですが、今作では「王子様」とは発言しなくなっている。
それは彼女が今、目の前にいる堂上教官に恋をしているからです。まあでも素直になれないのは変わりません。
その恋してる様子はもういちいち可愛い。中学生みたいでこっちも恥ずかしくなるほどです。堂上もそうだけれど、笠原は戦闘では度胸はあるのに恋愛となるとヘタレになってしまう人間です。その不器用さ、歯がゆさのせいで気持ち悪いくらいニヤけたよね、全く。
でもそんなヘタレな姿ではなくやっぱりこの作品で印象的だったのは、 笠原の強い意志を持って走る姿です。走る姿にこそ笠原郁の魅力が詰まっているように感じました。
走る笠原。見る堂上。言葉より行動派な二人を上手く表現できていたのではないかと思います。
ラブコメ要素の言及に戻りますが、笠原も堂上も今回はラストであっても大きな不満はないほどにグッと距離が縮まりましたが・・・本当のことを言うともっとラブコメ欲しかった。全然足りないよ!!!←
「おい、もっと!もっとラブコメないのか!」とアクションが一通り終わった後に思ったり。小牧とまりえちゃんカップルは特別ドラマでガッツリ描かれてましたが、手塚と柴崎(栗山千明)カップルは全然物足りない。
このカップルの掘り下げと、堂上教官が笠原にキスをするシーンを描くまで終わらないで下さい。お願いします。(とにかく続編に期待ということで。)
あらすじ
ある日、図書隊・特殊部隊(タスクフォース)の堂上篤らに、この世に1冊しか存在しない「図書館法規要覧」の一般展示が行われる芸術の祭典の会場を警備せ よとの指令が下される。ごく簡単な任務に思われたが、その指令の裏には、図書隊の解散を目論む手塚光の兄・慧が仕掛けた罠が潜んでいた。
岡田師範の実力がわかる動画
すっかり岡田師範と呼ばれるほどになったアイドル岡田准一がいかに凄いかがわかる動画をご紹介します。
最後に
言葉より行動派な主役二人の姿に心を緩ませ、強いメッセージと緊迫感あふれるアクションに心を引き締められる。”歪んだ世の中でどう生きるか”という台詞は心にとても残り、改めて自分が生きる世界を直視することの必要性を実感しました。
まあそんな真面目なこと言ってもやっぱり堂上と笠原のあのシーンですよ。
観終わった後に考えさせられるほどに中身があって、尚且つラブコメでキュンキュンできる映画が観たい、かっこいいアクションシーンに興奮したいという思いを全て叶えてくれる大変よろしいエンタメ作品だったと思います。