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映画に飲み込まれた迷い主

『キングスマン』感想”正しい英国紳士のススメ。面白くないわけないじゃん”

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映画『キングスマン』を見た感想をネタバレなしで書いています。『キックアス』のマシュー・ヴォーン監督最新作。こんな笑えてぶっ飛んだスパイ映画は反則でしょう。もうたまらなく好きです。

 リリース情報

日本公開日:2015年9月11日

簡易感想

私的好き度:★★★★★

笑える:★★★★☆

泣ける:★★☆☆☆(興奮して)

怖い:☆☆☆☆☆(そんなグロくはなかったな)

スカッとする:★★★★☆

ドキドキする:★☆☆☆☆

心があったまる:★☆☆☆☆

憂鬱になる:☆☆☆☆☆

 

映画感想

しっかりとした基盤の上に新たな魅力を盛りつけした最強にヤバいスパイ映画

キック・アス』のマシュー・ヴォーン監督が「これが俺のスパイ映画だ!」と言わんばかりに披露した(※想像上)『キングスマン』は紳士がレッツパーリィィィ!!!する新時代のスパイ映画です。

スパイ映画と言えば近年ではシリアスな作品が多いですが、この作品はあえてシリアスをなくしコメディに重点を置いているところが特徴としてある作品ですね、はい。とりあえず言いたいのが、「コリン・ファースがエロい」。もうこれはコリン・ファースの出演作品の感想を述べる時はお決まりなので先に言わせて頂きます。

そしてもう一つ先に言いたいのが、「この映画はやばい」。ちなみに『マッドマックス』を観てすでにⅤ8を捧げた人間ですが、それとは違ったヤバさがありますこの映画には。何でもかんでも「ヤバい」なんて形容詞で表現したくないんですけど、ヤバいんですって!何がヤバいって、ヤバいからヤバいんです!←

「これは映画ではない」なんていう台詞が登場しますが、まさにその通り「(今までの)映画ではない」。なぜなら明らかに従来通りの映画のストーリー展開から少しだけ逸脱しているからです。

というかそもそもキャストからして普通ではありません。まずコリン・ファースがアクションキレキレの英国紳士役を演じていますが、え?アクション?・・・英国紳士はとてもわかる・・・けど、アクションだと・・・。とまあ、コリン・ファース知ってる人なら誰でも少しは思うと思います。

なんたって彼は50歳過ぎてますが今まで一度もアクションをしたことがないですからね。していたのはラブコメ紳士とか英国王とかラブコメ紳士とかラブコメ紳士とか。とにかく『プライドと偏見』でマーク・ダーシーを演じていたような絶対人を殺さない”THE英国紳士”がコリン・ファースという男のイメージだったわけです。

それがあろうことか今回のキャラクターには英国紳士ではあるけど”最強のスパイ”という肩書もついてくるわけで、作中では教会で数十人とおよそ3分から4分間ずっと銃をぶっぱなし人を殺しまくるシーンもあります。(ちなみにワンテイクで撮ったらしい)。

 

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(ちょっとすいません、もう少しコリン・ファースについて話させていただきますと、彼のアクションどうだったかという感想なんですけど、凄いエロかったです。コリン・ファースは何やっても色気が凄いですけど、特別アクションやらせたらエロさが増幅していましたね。なぜなら彼の髪が乱れるからです。そう乱れ髪。ピシッと決まった英国紳士の髪の毛が乱れるたびに、ねえ、うん。)

 

まあコリン・ファースはここまでにしといて、あと面白かったのはサム・L・エルジャクソンが血を見て吐いてしまうキャラクタ―を演じていることですね。彼はこの映画では人類の崩壊を目論むキングスマンの敵になるキャラクターを演じていますが、血が苦手という設定つきです。それだけで笑えますが『アベンジャーズ』や『パルプフィクション』に出演し余裕で人を殺しそうな強面なイメージのあるサム・L・エルジャクソンがそんなキャラクターを演じるのが驚きでした。

そういうわけで人気俳優の新境地を開いているというヤバさがこの映画にはあります。

 

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そして何といってもストーリー展開やシーンのヤバさ。この映画の一番の魅力です。特に後半。驚きを通り越して思わず爆笑してしまう内心拍手喝采の爆笑花火大会シーンや、人類崩壊の危機を迎えているというのに女を口説きにいくというようなまさかのラストの展開だったりで、ついていけないことはなかったんですけど「なるほど、これは普通ではないな」と思わざるを得ない展開続きでした。

まさかね、この映画で花火大会を拝めるとは思いませんでしたよ。ちなみにこの映画の”威風堂々”の使い方は1億点です。

そして後半のそれらのシーンと同じく見所は先ほども述べたコリン・ファースのアクションシーン。「原理主義者どもファックユー!!!」なそのシーンには「キックアス」が好きな人が喜ぶ観ていてスカッとするような魅力が一番ギュッと詰まっています。あとアクションシーンで言えば、この映画は紳士らしいスマートなアクションがたまらないですね。

しかし何もかも普通じゃないというわけではありません。そんな単に奇をてらった映画ではなくて過去のスパイ映画のオマージュがふんだんに散りばめられた作品でもあるからです。だから過去作品の魅力と新たな要素が組み合わさって、基盤のしっかりした新しさがこの映画の魅力になっていることが観ていて感じられました。

まあ、とにかく超面白かった!!!!!!!!!

あらすじ

ブリティッシュスーツを華麗に着こなし、スパイ組織「キングスマン」の一員として活動しているハリー。ある日、組織の一員が何者かに殺されてしまい、その 代わりに新人をスカウトすることになる。ハリーは、かつて命を助けてもらった恩人の息子で、密かにその成長を見守っていたエグジーをキングスマンの候補生 に抜擢する。一方その頃、頻発する科学者の失踪事件の首謀者ヴァレンタインが、前代未聞の人類抹殺計画を企てていた。

 

正しい紳士のススメ

この映画のストーリーは「キングスマン」という世界最強のスパイ機関にとある青年がスカウトされ、人類崩壊の危機に直面しながら成長していくというもの。

 

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前述したハチャメチャアクション続きかと思いきや意外とそうではなく、ドラマパートもなかなかに描かれています。貧乏で不遇な自分は一生ふがいないままだと決めつけていた不良青年がキングスマンである英国紳士に出会い、ある意味本物の紳士へと成長していく姿を描いた作品なのです。

 

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では本物の紳士とは何ぞやということですが、まず紳士は正しいマティーニをつくれないといけませんね。そして次にオーダーメイドのスーツを持つことが必要です。でもそんな身なりだったりマナーだけではなく紳士に最も大切なことは何かと言うと、自信を持つことです。自信を持っている人間こそ紳士であると言えるのです。

そう、この映画は恵まれない環境で生きていた青年が自分で道を切り開き自信を持つまでに成長していく話なんだと思います。

マナーを正しく身につけて身なりを整ることも力をつけることもすべては自信をつけるために必要なことだと思うのです。そして立派な紳士になる。私はそのように感じました。

どんなにいい家の生まれではなく、いい学校に行っていたわけではなくても自分自身で自信を勝ち取っていけば誰だって立派な紳士になれるのでしょう。そしてこの映画では主人公と一緒にキングスマンを目指す仲間として女のキャラクターが登場しますが、ましてや男よりもともとの体力が劣っている女でも自分次第で男の社会で勝ち上がれる。

階層社会が根強いイギリスが舞台ですが、「バックグラウンドなんか関係ない。全ては自分次第だ」というメッセージがこの映画にはある気がしました。

 

最後に

これまでストーリーやらキャストやらシーンやらがヤバいと言ってきましたが、下の画像の右から二番目にいる”ガゼル”というキャラクターがなんだかんだ一番ヤバいと思います。冷静に。

紳士とハチャメチャさのギャップにハマりまくるとんでもない新時代スパイ映画の『キングスマン』。そこまでまだ世間に浸透していないのは残念ですが続編もあるということでこれから日本でも人気なスパイ映画の一つになっていくことを期待しています。

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映画『キングスマン』予告編 - YouTube