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映画に飲み込まれた迷い主

『インサイド・ヘッド』 ”カナシミが思い出を青く染めてしまう理由とは” ネタバレあり

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記事概要

可愛いけど一見すごい残念キャラクターである映画『インサイド・ヘッド』のカナシミの役割などをまとめてみました!

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『インサイド・ヘッド』で一番注目されていたキャラクターがこの”カナシミ”!

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「なぜカナシミが必要なの?」というのがこの作品でメインで問われているようにカナシミが今作のキーキャラクターとなっています。

しかしこのキャラクターというかカナシミという感情は一見「なかった方がいいんじゃないか」と思うほどに厄介。

感情たちの目的は「ライリーを守り幸せを作り出すこと」なのに、カナシミが動くことでライリーは辛い思いをしてしまうのです。

本当可哀想なキャラクターすぎて同情しました。だってもうヨロコビには”存在自体が迷惑” ”歩く不幸せ製造器”というような扱いをされているんですよ。ライリーに幸せな気持ちになってもらいたいヨロコビにとってはただただ邪魔者ですし、他の感情からも「厄介な存在だな」と思われているんです。

こんな様子を見た私は「鶏が先か、卵が先か」論になってしまいますが、「もはやそんな扱いをしたからこんなネガティブになっちゃったんじゃないの!?」と思ってしまいました。

まあ、それほどにカナシミってよくわからない立ち位置にいて他の感情たちもその役割がわかっていないのです。

でも、感情それぞれに役割があるようにカナシミという感情にも役割があるはずです。けれどもライリーの涙とともに生まれたカナシミ自身もその役割を分からずにいます。だから11年もまわりの感情の言うとおりにして問題を起こさなかったんでしょう。しかし、カナシミもライリーの役にたちたいのです。それが引越しを気に溢れ出てしまい問題が起きてしまったのだと思いました。

戻りますがそのようにして「なぜカナシミが必要なの?」という問いが生まれるわけです。

 

カナシミの影響力の大きさ

カナシミの特殊性は役割が謎というだけではありません。

”思い出の玉”という特に重要な記憶がつまった玉で人の性格を形成する役割を持つものがありますが、カナシミはそれさえもカナシミの色である青に変えてしまいます。

これはカナシミにしかない能力です。ヨロコビも含め他の感情たちはいくらこすっても色を変えることができないのです。

カナシミだけが記憶の玉の色を変えてしまうのはなぜか?それはつまりそれほどにカナシミの力は他と比べて大きいということではないでしょうか。

 

それを裏付ける記事を見つけました。

愛するものとの別れや喪失感など、悲しみは人の心にたえ難い苦痛や悲しみをもたらす。悪いことに、この悲しみという感情は、恥、驚き、苛立ち、退屈など、他の感情よりも240倍も長く続くそうだ。

ベルギーにあるルーヴェン大学のフィリップ・ヴァーダイン教授とサスキア・ラブリセン教授は、感情の持続時間とその影響を計測するため、学生233名に感情的になった最近の出来事を思い出してもらい、その持続時間を報告させた。

その結果、27種類の感情の内、羞恥、驚き、恐怖、嫌悪、退屈、感動、苛立ち、安心といった感情がすぐに消え去ってしまうのに対して、悲しみは最も持続する感情であることが判明した。
 悲しみが収まるまでには平均して120時間(5日間)もかかるのに対して、嫌悪や羞恥といった感情は30分程度で消えてしまう。また憎しみは60時間、喜びは35時間ほど持続する。退屈すると時間がやたらと長く感じることはあるが、どうやらこれは比較的早く収まる類いの感情であるようだ。

また、短期間で収まる感情は、それほど重要ではない出来事によって引き起こされることが多いことも新たな発見と言える。一方で長時間持続する感情は、当事者にとって非常に関心の高いことと関連した出来事によって発生する傾向がありそうだ。

持続する感情は、時間の経過とともに高ぶりをみせることがある。これは当事者が問題の出来事や結果を繰り返し思い出すことによって、感情が持続し、強化されていることが原因かもしれない。したがって、持続期間が他の類似した感情同士を区別する指標となり得る。例えば、罪悪感は羞恥よりも、心配は恐怖よりもずっと長く持続する点において別の感情と言える。

この研究で明らかになったことは、悲しみに打ちひしがれた人の心が癒されるまでには長い時間を必要とするということだ。周囲の人たちはどうか辛抱強く見守ってあげて欲しい。

 

karapaia.livedoor.biz

 

この記事は悲しみという感情の持続性から、悲しみから立ち直るにはとても時間がかかることを実験によって明らかにしたものです。

ライリーに関わらず人の頭の中でのカナシミは他の感情よりはるかに大きな影響力を持っているということがわかります。

つまり、やはりカナシミのこの特殊能力はその大きさ故にあるものと言えるでしょう。

 

そしてもう一つ色を変えてしまう理由があると思いました。それはカナシミの役割と関連しています。

劇中で描かれていたようにカナシミの役割はちゃんとあります!(良かったね、カナシミ!!)

その役割は何かというと、「喜びを作り出すこと」だと思いました。

それだからタイトルの原題が「インサイド・アウト」(裏返し)なのでしょう。

つまり、喜びの裏には悲しみがあって悲しみがあるからこそ思い出ともなる大きな喜びを感じることができるということです。

 

この悲しみの存在理由を説明してくれている知恵袋回答があったのでご紹介します!(メダル100枚贈呈したいですよ)

・・・“仲間プラス視”という感情はサル→ヒトという進化にともなって強くなっていったのですが、そのプラスの対象である“仲間”を失ったときのマイナスの感情も進化につれて大きくなります。このマイナス感情が例えば「悲しみ」という感情として、特にヒトでは強く表れます。
これを脳内ホルモンとの関係で整理すると、プラス感情はオキシトシンやエンドルフィンやドーパミンなどの作用であり、それらの分泌量が増えると「喜び」というようなプラス感情が生起する・・・、反対にそれらのホルモンが急速に減衰する(あるいはプラス系のホルモンに対抗的に作用するセロトニンの分泌量が増える)とコインの表裏のように「悲しみ」というマイナス感情が生起してくるということだと思います。


この「悲しみ」という感情を集団内で共有することで、残された成員の結束がさらに強まり、別の機会に得られた「喜び」の共有度が上がるという仕組みで、このマイナス感情も淘汰されないで残ってきたのではないでしょうか。

つまり、本能上の生存には無関係であっても、サルやヒトにとっては集団内関係や社会関係という課題が本能課題以上に重要になってくる過程で、「喜び」や「悲しみ」という感情を獲得しながら適応して行ったと考えられます。

detail.chiebukuro.yahoo.co.jp

 

 

上記に書かれていることをまとめると、悲しみとはまずその発生理由から喜びと表裏一体にあるということ。そして、まわりとの関わり合いを結束の固いものにするために悲しみという感情が役立つということです。

つまりカナシミがいるからこそ他人と強い喜びを共有することができ幸せを作ることができるということです。

作中のライリーの思い出は友達や家族と作られたものでした。そう、性格を作り上げるほどの思い出って自分だけでは作れないんですよね。

そしてそういう他者との思い出を作るにはただヨロコビの力だけではなくて、その喜びを生み出すまでのカナシミの力が必要不可欠だったのです。

カナシミによって他者との関係は深まり、ライリーを励ましてくれる。慰めてくれる。それがライリーの幸せな気持ちを作りだしていたんですね。まるでカナシミとヨロコビの関係はシーソーゲームのようです。

 

というわけでカナシミがヨロコビの色を青く変えてしまったのはその影響力の大きさに加えて、そもそもヨロコビに満ちた思い出に内在していた感情だったからと説明できるでしょう。

ただ単にヨロコビという感情だけが思い出を作り上げていたというわけではないということです。

 

カナシミの役割って?まとめ

カナシミの役割とは他人との関係を強めそこからヨロコビを生み出すことであるとわかりました。家出をし感情のなくなったライリーをカナシミが思いとどまらせることができたのは、この他人である家族と自分の繋がりを想像したからです。

他者との繋がりがあるからこそ人は悲しみを感じ、そしてより関係を強くさせる。そのような強い他者との関係によってヨロコビがその人の幸せを作ることができるんだと思います。

そして忘れてはならないもう一つカナシミの重要な役割は、”涙を流させる”ということ。

涙を流すことで人は心にたまったものを吐き出しスッキリすることができます。ストレス発散と言えばイカリもその役割を担っているけれども、カナシミによって泣いてストレスを発散するという行為はライリーにとってはより大きな力を持っているように感じました。

 

 

「こんな悲しみなんていう感情なくなればいいのに」って思いますが、私たちの幸せな気持ちを作りだしているなくてはならないものだと再認識させられましたね。

それを言葉を使いすぎずに説明しているからこそピクサーってすごい。

それ故に紛れもなく『インサイド・ヘッド』は名作なのだと思います。

 

 

 

 

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