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映画に飲み込まれた迷い主

『人生スイッチ』感想 道徳心を心のノートと葬ってから観に行きましょう。”爆笑不謹慎映画”

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”K点越えのブラックコメディ!!!”
”アルゼンチンにてアナ雪超えの大ヒット”

記事概要

ネタバレなしで映画『人生スイッチ』を見て思ったことを自由に書いています。基本的にダークユーモア大好き人間なので評価高めです。

リリース情報

日本公開日:2015年7月25日

TSUTAYAレンタル開始日:

 

 

◆六つの独立した短編によって構成されてる今作ですが、総じて"怒りに素直になって越えてはならない一線を越えてしまった人たちのお話"です。

 
世の中「ここからは越えてはいけないな」という一線があるじゃないですか。
倫理的に問題だとか人生終わるからとかそんな理由から引かれた暗黙の一線が。
それが私たちの日常とか(物語とか)保ってくれてるんですけど、この作品の登場人物はあれよあれよとそれを越えてしまうんですね。
我慢せずにその怒りに素直に取り返しのつかないところまでいってしまう。
その姿が面白くてたまらない。
後先を考えない全く冷静さのかけらもない姿が可笑しくてたまらないんです。
 
完全にブラックユーモア!!不謹慎万歳!!!www
一方で一線を超えることに抵抗を感じた瞬間に超不快映画確定です!
顔をひきつるか声を上げて笑うかはあなた次第!
 

あらすじ

1.同じ飛行機に居合わせた乗客にとある共通点があることが判明する。
2.レストランで働く女性は客としてきた男が昔自分の家族を苦しめた男だと気づく。一緒に働く同僚がそれを知り殺そうと提案する。
3.目の前の車に罵声を飛ばした男の車がエンスト。立ち往生している時に先ほど罵声を浴びせた車が近くに止まる。
4.建物を爆発させて解体業を仕事とする男の車がレッカー移動されてしまう。それに不服を立てるが認められることがなく・・・
5.金持ちの男の息子が人を車で轢いてしまう。どうにか息子が刑務所にいかないように策を考えるが・・・
6.結婚式の最中、花婿は自分の夫の浮気相手を式場で見つけてしまう。
 
※短編ごとに完結します。一切短編ごとの繋がりはありません。

 

短編でタイトルが「人生スイッチ」でこのあらすじ。
なんだか予想がつかないことが起きてオチもビックリの作品!・・・ってイメージ持つ方もいると思うんですけどそんなことはないと思いました。
むしろギリギリ予想がつくから笑えると言った方が正しいですね。
どういうことかというとこの作品に出てくる登場人物は一番予想でき得る最悪なことをしてしまうんです。
「まさかな…」と一瞬頭にチラつく最悪な展開こそがこの作品で待ち構えている展開です。
 
作品を観ている時に(え、言っても最悪な展開になることを見せかけておいてこれは違うパターンでしょ)と思うことが如何に無駄なことかと思わされました。
「あ、まじか、まじか」と至って普通にその期待を裏切り続けます。
 
そこまで行くとただ笑うしかない。
だって、予想でき得る最悪な展開はそんなことしたらいろんな意味で登場人物の人生終わるくらいの展開なんですから。
よく「おバカ映像」「衝撃映像」ってテレビで特集組まれて流れるじゃないですか。そこで流される映像をテレビで流せなくなるほどに取り返しのつかなくしたのがこの作品と言えるかも。
 
そんなだから登場人物に対しては一切の共感もできなくなって無責任に「お前の人生だ、好きにしろ」としか思えなくなります。巻き込まれた人も災難だったな、くらいにしか思えませんし。とことん最悪な展開に自ら行きつく姿がただただ笑えますw
 
こんな感じに予想でき得る最悪なことを登場人物が本当にやってしまった時に笑えて、やってる姿を見てまた笑える。
そして基本的に静けさのあるところや変な間の取り方というシュールさも笑えるポイントです。
特に私が一番笑えたのは最後の結婚の話。以下その感想。
 
もう人生どうにでもなれよ感が出ていて酷いwww 
 
「あれ、このあとどうするの?もう後戻りできないよ」という不安感まで感じるともう笑うしかなかったwwwww
 
見守ってるからお好きなように行けるところまで行ってくれwwwと思いつつ見てると本当に行けるところまで行くから爆笑wwwwwwwここまで行くかwwwwwwwと
 
 
まあ、その笑いのために必要なのは見てる側の冷静さででしょう。
そもそも登場人物の怒りって個人的なもので共感するような怒りではないのでただ冷静に見れるんですよね。(お国が違うからかもしれないけど)
登場人物の気持ちとか学校で習った道徳教育を放棄して彼らがやることを無責任にただ見守る。
この映画の正しい見方ですよ、きっとこれが。
 

◆いや、しかしどうにでもなれと思えないと本当不快映画ですからねw

法律とか人道とかそんなの知るか!って思えないと完全にドン引きですよ。後味の悪さなんて相当酷いものだと思います。
「笑いにきたはずなのに胸糞悪くなった」と思わないためにもむしろ笑いに行こうとせずに一線守ることの重要性を身に染みこませるために観に行きましょう。・・・うん意味わからないですね。私もわからないですし教訓なんて一つもありません。
 
とにかく、これは見方によって極端に意見が分かれる映画ですので変に笑いに行こうと身構えるのはおすすめしません。
笑えたらまわりを気にせず笑えばいいし、笑えないと思ったら独特な映像や音楽、雰囲気を楽しむという見方も全然ありです。
本当に映画としてこんなの初めて見たというか、斎藤工もブログで書いていましたが「映画の文脈が変わってきたのかもしれない」と思うほどに独特な映画でした。
OPからして独特ですからね。これほどにおかしなOP初めて見ましたよ。
面白さと一緒に胸がほっこりするようなシーンもあったりヒヤっとするようなシーンもありで、一概にただ笑える映画ではないことがこの映画の魅力を厚くしているのは間違いありません。
 
「こんな映画みたことない!」
少なくとも私にとってはそんな貴重な映画になりました。
 
 
 

 

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