映画『妹の恋人』感想 ”変人×変人!初恋を思い出させる素敵なラブストーリー!”
”宝石のようにキラキラとしたキスシーンに胸が打たれた”
”ジョニー・デップ出演の隠れた名作”
記事概要
ネタバレなしで映画『妹の恋人』を見て思ったことを自由に書いています。5年前が初見ですが、今でも見るほどには大好きな作品です。
リリース情報
日本公開日:1993年10月23日
I'M GONNA BE (500 MILES)が流れる爽やかなopから始まり、風変りの青年と主人公の精神疾患を患う妹の恋愛を中心に描くラブストーリー。
変人を愛する私がとてつもなく大好きなのがこの作品です。
「愛している」とか「愛おしい」なんて気持ち、普通映画に抱くことはないんですけどこの映画には大きな声でいつぞやのボーダフォン※のCMの岡田准一並に「愛してる」と言いたいですよ。それくらい好きです、大好きです。
たまらなく愛してる!!!
・・・なんか恥ずかしくなってきた(自爆)
ではでは私の気持ち悪いくらいの大好きな気持ちをご理解いただけたところで、具体的に何がそんなにいいのか良さをプッシュ!プッシュ!していきたいと思います。
あらすじ
「シザーハンズ」のJ・デップ、「フライド・グリーン・トマト」のM・S・マスターソン共演によるヒューマン・ラブ・ストーリー。ベニーには、自閉 症気味 の妹ジューンがあった。ある日彼らの前にサムという、サイレント映画に憧れる不思議な雰囲気を持つ青年が現れる。無口なサムのパントマイムは、たちまち ジューンの心を開いていくが……。
主なメインキャラクターはアイダン・クイン演じる”ベニー”とメアリー・スチュアート・マスターソン演じるその妹”ジューン”。そしてジョニー・デップ演じる"サム"です。
お兄ちゃんであるベニーと妹ジューンは幼い時に不運な事故で両親をなくしていまして、二人きりで生きてきました。
そんな時に現れたのがバスター・キートンを尊敬した風変りな青年サムです。
お互い普通の人とは違うジューンとサムはすぐに不思議なシンパシーによって惹かれあいます。
一方、お兄ちゃんベニーは精神疾患を患っているジューンを一人で支えてきて自分の人生を生きてこなかったことに悩んでいるんですよね。「一生妹のために生きてていいのか」と・・・ けれどもどうしても妹を見放すなんて出来ない。
そんな時に妹がサムとデキてる!?ことを知ります。
いざ妹が離れてくことにお兄ちゃんベニーは許せず、事件が起きてしまう・・・
以上がざっとあらすじです。
世話焼きなお兄ちゃんが妹離れして、お兄ちゃんがいないとダメだった妹がお兄ちゃん離れをする。それが兄弟の絆を深めましたちゃんちゃん。というのがメインストーリーなわけなんですね。
そうこれ、兄弟映画なんですよ。だから原題も兄弟名の『BENNY&JOON』となっています。
でもですよ。このメインストーリーの脇にいるジョニー・デップの存在感が大きすぎて、実質見ている人には風変りの青年と妹の恋愛とそれを脇で見守るお兄ちゃんという立ち位置の方がしっくりくるかも。
だから邦題の『妹の恋人』ってすごくいい。邦題からして大好きです。
そんなストーリーの今作ですが、最大の魅力はなにより”変人描写”!!
ジョニー・デップが演じる青年サムはB級ホラー映画を毎晩繰り返し見るような人で、文字が書けないけどエンターテイナーとしての才能がありまさにバスターキートンのようなんですね。気づいたら大道芸のような変なことをしてしまっている。見かけも中身も変わり者の極みをいってる人間です。
そして妹のジューンも、精神疾患を患っているためとても繊細な性格ではあるんですけどすごく見ていて可笑しいんです。いつも牛乳と何かとピーナッツバターをミックスした顔のひきつるような飲み物を飲んでいるところだったり、卓球のラケットを手に持って街に出るとか、精神疾患があるのはわかっているけどすごくおかしくてたまらない。
そんな変人の変人描写で特に注目はサムの料理の仕方。パンを焼くのに使うのはアイロンだし、ポテトサラダを作るのに使うのはテニスのラケットなんですね。発想が天才すぎて爆笑ですwww
こんな変わりものの二人が恋愛をする。それってすごく大変そうだと思うじゃないですか。でも全然そんなことなくて、二人にとってはお互いの変わりもの具合は全く気にすることではないんですね。気にしないからこそ惹かれあう。だから変だと思ってしまう私のような普通の人は絶対に入れない”二人だけの世界”がこの映画で描かれています。
ここまで感情移入できないラブストーリーは貴重ですよ。
でもそれがこの映画の魅力です。だからこそ純粋に映画の中の二人を応援することができて、(自分にある辛い過去とか苦手な経験を思い出すこともなく)とても幸せな気持ちでいられるんですよね。「好きになるって素敵だな」と純粋な気持ちで思うことができます。
それを強く思うのが二人のキスシーンです。お互いが好きになって惹かれあうこと触れ合うことの嬉しさ、喜びがとてつもなく溢れている素敵なシーンとなっています。
初めて自分と通じ合えた人が出来た喜び。変人な二人だからこそ感動が大きかったんでしょうね。ここまで宝石のようにキラキラしたキスシーンを見たことは他にはありません。
ああ、それにしても初めて好きになった人とキスした時のドキドキっていまだに忘れられないですよね。もう10年以上経っているのにな~、雨の中、自転車置き場で・・・良いシチュエーションだったな←
まあ、こんな感じに初恋を思い出させてくれる映画になっています。だから汚れた恋愛を経験してしまった人にこそ見て欲しいなと。恋愛って素敵なことなんだとまた気づくきっかけになるかもしれません。やっぱり好きになるってキラキラしていることなんですよ。()
青年と妹の恋愛がメインとしたものの、お兄ちゃんの苦悩・恋愛パートも面白いです。
お兄ちゃんは妹のために女の人からのせっかくのお誘いも断るような人でして、彼女いない歴がかなり長そうなイケメンです。そんな彼にもお相手が現れまして、それがジュリアン・ムーア演じる女性です。(美人すぎる。ジュリアン・ムーアやっぱり美人すぎる。)そしてそんな二人はいい大人なのに近づき方が不器用でたまらなく可愛い。この映画で描かれる恋愛は総じて可愛いんですよ。恋愛に慣れていない人たちの恋愛描写は至極です。
そして最後にお伝えしたい魅力は、ジョニー・デップのイケメン具合です。
これまで変人、変人と言ってきましたが、それでもイケメンなことは変わりがなかった!イケメンってすごい!
数あるジョニー・デップ作品の中でも、一番爽やかイケメンのジョニーを見れる作品であると思います。私、彼の口の動きが好きなんですよ。突然どうしたって感じですよね。いや、特に意味もなくただ好きなだけなんですけども、その口の動きに注目しながらこれから見る人には見て欲しいなと初めに言っておこうと思いまして。
話が脱線しましたが、そう!この映画のジョニー・デップはとにかくイケメンです。髪は長髪で、ギルバート・グレイプに出演時と同じくらいかな。だけども、ギルバート・グレイプの時よりも顔がすっきりとしていて、道に捨てられていたら速攻で持ち帰りたくなるほどの子犬オーラを出しています。
言葉で説明するよりも見て貰った方が早いと思って画像を引っ張ってきました。
こんな爽やかな青年がまさか海賊になり、バンパイアになり、原住民になり、オオカミになるだなんて想像できませんね。
そしてこんなイケメンジョニー・デップが、本作では器用にチャップリンみたいな芸を披露するんですけど、このコミカルな演技が今にも通ずる彼の魅力なんだなと思わされます。かっこいいだけじゃない。彼はこんな爽やかイケメンの時からアイドル俳優では決してなく、ジョニー・デップという決して道の真ん中を歩くことのない変わり者俳優の道を着実にこの時から進んでいたことがわかります。まあ、イケメンなことには変わりないんですけどね。
作品全体の雰囲気が非常に心地良く、派手さはないけれども「映画っていいな」と思わせてくれる素敵な映画であると思うので、是非まだ見ていない方は見てみてはどうでしょうか。そして心に痛みを抱えた私は早速これから見るのでした。ではでは