『キングスマン』感想”正しい英国紳士のススメ。面白くないわけないじゃん”
映画『キングスマン』を見た感想をネタバレなしで書いています。『キックアス』のマシュー・ヴォーン監督最新作。こんな笑えてぶっ飛んだスパイ映画は反則でしょう。もうたまらなく好きです。
リリース情報
日本公開日:2015年9月11日
簡易感想
私的好き度:★★★★★
笑える:★★★★☆
泣ける:★★☆☆☆(興奮して)
怖い:☆☆☆☆☆(そんなグロくはなかったな)
スカッとする:★★★★☆
ドキドキする:★☆☆☆☆
心があったまる:★☆☆☆☆
憂鬱になる:☆☆☆☆☆
映画感想
しっかりとした基盤の上に新たな魅力を盛りつけした最強にヤバいスパイ映画
『キック・アス』のマシュー・ヴォーン監督が「これが俺のスパイ映画だ!」と言わんばかりに披露した(※想像上)『キングスマン』は紳士がレッツパーリィィィ!!!する新時代のスパイ映画です。
スパイ映画と言えば近年ではシリアスな作品が多いですが、この作品はあえてシリアスをなくしコメディに重点を置いているところが特徴としてある作品ですね、はい。とりあえず言いたいのが、「コリン・ファースがエロい」。もうこれはコリン・ファースの出演作品の感想を述べる時はお決まりなので先に言わせて頂きます。
そしてもう一つ先に言いたいのが、「この映画はやばい」。ちなみに『マッドマックス』を観てすでにⅤ8を捧げた人間ですが、それとは違ったヤバさがありますこの映画には。何でもかんでも「ヤバい」なんて形容詞で表現したくないんですけど、ヤバいんですって!何がヤバいって、ヤバいからヤバいんです!←
「これは映画ではない」なんていう台詞が登場しますが、まさにその通り「(今までの)映画ではない」。なぜなら明らかに従来通りの映画のストーリー展開から少しだけ逸脱しているからです。
というかそもそもキャストからして普通ではありません。まずコリン・ファースがアクションキレキレの英国紳士役を演じていますが、え?アクション?・・・英国紳士はとてもわかる・・・けど、アクションだと・・・。とまあ、コリン・ファース知ってる人なら誰でも少しは思うと思います。
なんたって彼は50歳過ぎてますが今まで一度もアクションをしたことがないですからね。していたのはラブコメ紳士とか英国王とかラブコメ紳士とかラブコメ紳士とか。とにかく『プライドと偏見』でマーク・ダーシーを演じていたような絶対人を殺さない”THE英国紳士”がコリン・ファースという男のイメージだったわけです。
それがあろうことか今回のキャラクターには英国紳士ではあるけど”最強のスパイ”という肩書もついてくるわけで、作中では教会で数十人とおよそ3分から4分間ずっと銃をぶっぱなし人を殺しまくるシーンもあります。(ちなみにワンテイクで撮ったらしい)。
(ちょっとすいません、もう少しコリン・ファースについて話させていただきますと、彼のアクションどうだったかという感想なんですけど、凄いエロかったです。コリン・ファースは何やっても色気が凄いですけど、特別アクションやらせたらエロさが増幅していましたね。なぜなら彼の髪が乱れるからです。そう乱れ髪。ピシッと決まった英国紳士の髪の毛が乱れるたびに、ねえ、うん。)
まあコリン・ファースはここまでにしといて、あと面白かったのはサム・L・エルジャクソンが血を見て吐いてしまうキャラクタ―を演じていることですね。彼はこの映画では人類の崩壊を目論むキングスマンの敵になるキャラクターを演じていますが、血が苦手という設定つきです。それだけで笑えますが『アベンジャーズ』や『パルプフィクション』に出演し余裕で人を殺しそうな強面なイメージのあるサム・L・エルジャクソンがそんなキャラクターを演じるのが驚きでした。
そういうわけで人気俳優の新境地を開いているというヤバさがこの映画にはあります。
そして何といってもストーリー展開やシーンのヤバさ。この映画の一番の魅力です。特に後半。驚きを通り越して思わず爆笑してしまう内心拍手喝采の爆笑花火大会シーンや、人類崩壊の危機を迎えているというのに女を口説きにいくというようなまさかのラストの展開だったりで、ついていけないことはなかったんですけど「なるほど、これは普通ではないな」と思わざるを得ない展開続きでした。
まさかね、この映画で花火大会を拝めるとは思いませんでしたよ。ちなみにこの映画の”威風堂々”の使い方は1億点です。
そして後半のそれらのシーンと同じく見所は先ほども述べたコリン・ファースのアクションシーン。「原理主義者どもファックユー!!!」なそのシーンには「キックアス」が好きな人が喜ぶ観ていてスカッとするような魅力が一番ギュッと詰まっています。あとアクションシーンで言えば、この映画は紳士らしいスマートなアクションがたまらないですね。
しかし何もかも普通じゃないというわけではありません。そんな単に奇をてらった映画ではなくて過去のスパイ映画のオマージュがふんだんに散りばめられた作品でもあるからです。だから過去作品の魅力と新たな要素が組み合わさって、基盤のしっかりした新しさがこの映画の魅力になっていることが観ていて感じられました。
まあ、とにかく超面白かった!!!!!!!!!
あらすじ
ブリティッシュスーツを華麗に着こなし、スパイ組織「キングスマン」の一員として活動しているハリー。ある日、組織の一員が何者かに殺されてしまい、その 代わりに新人をスカウトすることになる。ハリーは、かつて命を助けてもらった恩人の息子で、密かにその成長を見守っていたエグジーをキングスマンの候補生 に抜擢する。一方その頃、頻発する科学者の失踪事件の首謀者ヴァレンタインが、前代未聞の人類抹殺計画を企てていた。
正しい紳士のススメ
この映画のストーリーは「キングスマン」という世界最強のスパイ機関にとある青年がスカウトされ、人類崩壊の危機に直面しながら成長していくというもの。
前述したハチャメチャアクション続きかと思いきや意外とそうではなく、ドラマパートもなかなかに描かれています。貧乏で不遇な自分は一生ふがいないままだと決めつけていた不良青年がキングスマンである英国紳士に出会い、ある意味本物の紳士へと成長していく姿を描いた作品なのです。
では本物の紳士とは何ぞやということですが、まず紳士は正しいマティーニをつくれないといけませんね。そして次にオーダーメイドのスーツを持つことが必要です。でもそんな身なりだったりマナーだけではなく紳士に最も大切なことは何かと言うと、自信を持つことです。自信を持っている人間こそ紳士であると言えるのです。
そう、この映画は恵まれない環境で生きていた青年が自分で道を切り開き自信を持つまでに成長していく話なんだと思います。
マナーを正しく身につけて身なりを整ることも力をつけることもすべては自信をつけるために必要なことだと思うのです。そして立派な紳士になる。私はそのように感じました。
どんなにいい家の生まれではなく、いい学校に行っていたわけではなくても自分自身で自信を勝ち取っていけば誰だって立派な紳士になれるのでしょう。そしてこの映画では主人公と一緒にキングスマンを目指す仲間として女のキャラクターが登場しますが、ましてや男よりもともとの体力が劣っている女でも自分次第で男の社会で勝ち上がれる。
階層社会が根強いイギリスが舞台ですが、「バックグラウンドなんか関係ない。全ては自分次第だ」というメッセージがこの映画にはある気がしました。
最後に
これまでストーリーやらキャストやらシーンやらがヤバいと言ってきましたが、下の画像の右から二番目にいる”ガゼル”というキャラクターがなんだかんだ一番ヤバいと思います。冷静に。
紳士とハチャメチャさのギャップにハマりまくるとんでもない新時代スパイ映画の『キングスマン』。そこまでまだ世間に浸透していないのは残念ですが続編もあるということでこれから日本でも人気なスパイ映画の一つになっていくことを期待しています。
『彼は秘密の女ともだち』感想”本性を暴き出すセンセーショナルなセクシャルムービー”
映画『彼は秘密の女ともだち』を見た感想をネタバレなしで書いています。自身がゲイであると公言しているフランソワ・オゾン監督の最新作はセクシャルなテーマに踏み込んだ、いかにもオゾンらしいミステリアスな作品でした。
リリース情報
日本公開日:2015年8月8日
簡易感想
私的好き度:★★★★☆
笑える:★★☆☆☆
泣ける:☆☆☆☆☆
怖い:★☆☆☆☆
スカッとする:☆☆☆☆☆
ドキドキする:★★★☆☆
心があったまる:☆☆☆☆☆
憂鬱になる:☆☆☆☆☆
映画感想
ミステリアスに本性を暴き出すセンセーショナルなセクシャルムービー
恐らくほとんどの人は「あなたはストレート?それともゲイ?」と聞かれたら即答できると思います。自分自身の性的志向はどんな優柔不断な人でさえもしっかりとした答えを持っているものでしょう。
しかしこの映画を見てそのゆるぎないと思っていた性的志向を揺るがされました。この作品はそんな自分自身のもしかするとわかっている気になっているだけの本性をひっくり返して暴いていくような映画であると思います。
世の中には先ほど述べた通り異性愛者か同性愛者がいます。しかしそれだけで人間の性的志向、または嗜好っていうのは語れない。
例えばこの映画の”ダヴィッド”という男性は女装が趣味で異性愛者です。つまり女になりたいけれども女が好き。とにかく女が好きということです。この秘密を知ってしまうクレールという女性も男と結婚した異性愛者です。
ダヴィッドの女装癖はともかくこの表向きな設定のままだと、異性愛者からすれば普通な性的志向を持ったキャラクターが登場する映画という印象を持たれるかもしれません。けれどもそうではなかったからこそセンセーショナルという感想を持ったのです。
この二人の間にはローラという人間がいます。クレールの小さい頃からの親友であり、ダヴィッドにとっては最愛の妻でもあります。そのローラが病気で若くして死んでしまう。それをきっかけに二人の距離が縮まっていくのです。
このローラというのは二人にとってどういった人間かというと共通して「憧れの存在」です。それも単なる憧れではない。抱かれたい、一つになりたいと思うほどに憧れの存在なのです。
そう、二人の性的志向や嗜好を左右させているのはローラという存在なんですね(下の画像右)。彼女の死後、彼ら二人が自分自身がローラに寄せていた欲望に気づきそれを解放させていくのですが、その背徳感さえ感じさせる気持ちが暴かれていく様にゾクゾクしました。
話は戻りますがつまりこの映画は異性愛者か同性愛者では語れない、より深く性に踏み込んだ作品なのです。
ダヴィッドがローラの死後、女装の趣味に再度目覚めた理由。そしてクレールの内に秘めた欲望。
女性らしく生きたいという二人の共通の願望がローラという女性によって歪んだ欲望に変化している様を見て、人間の性的な部分の奥深さに気づくことが出来ます。
そしてそれはダヴィッドやローラだけではなくもちろん現実世界にいる私たちにも当てはまることなのです。
自分は異性愛者だと私は考えていましたが、例えば二人にとってのローラのような憧れの同性には正直抱かれてもいいとさえ思います。(誰とは言わず←)
はっきりと異性愛者と決めつけることは難しいことで、今はなくても可能性として自分が同性に魅かれることはありえるのでは?とその性の奥深さを思うと考えてしまいます。
これって変なことかも?と少し思ったりしますが、枠にはめて考えられるほど性的な趣味、志向ってはっきりしていないものではないでしょうか。
このように複雑な性の在り方や線引きのできない曖昧さを、オゾンお得意の現実と想像の境界を曖昧にさせる演出をはさみながらこの映画は表現しています。
もしかするとこの映画で描かれている性の在り方は「狂っている」と思ってしまうかもしれません。それでもそんな普通ではないと思ってしまうほどに深い内面性を提示できているのですから、この映画は考えれば考えるほど興味深いものが詰まっている作品だなのではないでしょうか。
二人の欲望がどう変化していくのか、これから観賞するという方はその点に注目してみることをおすすめします。
あらすじ
親友のローラを亡くした主婦クレールは、悲しみに暮れながらも残された夫ダビッドと幼い娘リュシーを守ることを誓う。ある日、2人の様子を見ようと家を訪 れたクレールは、そこで亡き妻の服を着て娘をあやすダビッドの姿を目撃する。女性の服を着たいというダビッドの告白に戸惑いを隠しきれないクレールだった が、いつしか彼を女性として受け入れるようになり、新しい女ともだちのビルジニアとして絆を深めていく。そしてクレールもまた、ビルジニアの影響で自分ら しく生きることの素晴らしさに気づく。
※これ以降はネタバレありでラストについて感想を述べさせていただきます!
解釈が分かれるラスト!
交通事故によって意識が戻らないダヴィッドに対して、クレールは女装をさせる。目を覚ましたダヴィッドの手を繋いでクレールは夫に会う。そして7年後として、ダヴィッドが子供の学校の出迎えをして手をつないで帰るというシーンでこの映画は終わります。
この一連の流れで面白いのがクレールがダヴィットに女装をさせるシーン。
ダヴィッドがローラの死後、女装をしたいという願望を再度目覚めた契機がローラの死体に服を着せたことですが、それと同じくクレールもダヴィッドに女の服を着せるというシーンがありました。
つまりクレールもダヴィッドに服を着せたことで自分自身のヴィルジニア(ダヴィッド)を求める欲望にはっきり気づいて認めたということでしょう。
だから最後クレールとダヴィッドがどうなったかというと、私は二人は一緒に暮らすようになったと考えます。クレールは夫と別れ、ダヴィッドのもとへ行ったということです。
けれどもこの二人の間にはちゃんと愛はあったのかなというのが考えてしまうところ。
というのもこの二人の欲望を突き動かすのはローラという存在なわけで、この二人が結びついたのもローラという存在があったからこそだと思うからです。
もちろん作中で描かれていたように二人が惹かれあっていたのは事実でしょうが、お互い潜在的にローラの美しさに惹かれているからこそ二人が結びついたとも言えます。
女性になりたいという二人の願望が指すこの”女性”というのは、おそらく”ローラ”のことを指していて究極なところ二人はローラと同化したい。
しかしローラが死んでそれが出来ないからこそ、少しでも欲望を満たすためローラに惹かれている人間であるお互いに惹かれている。
極端に言えばローラに対する欲望を満たすために二人は一緒になるしかなかった、という見方ができると思います。
お互いでその欲望を補う。他にも色々な解釈はできると思いますが、ローラなしで惹かれているわけではないという二人の愛の形はとても興味をそそられました。
最後に
前半は笑えるシーンが多いですが、どんどん話が進むにつれ「これは一体どうなってしまうのか」と不安をも抱かせる展開にドキドキしました。
観終わった後に性的志向やラストについて話たくなるのは間違いありません。
『ヴィンセントが教えてくれたこと』感想”大号泣。人生なんて報われないことばかりだ”
映画『ヴィンセントが教えてくれたこと』を見た感想をネタバレなしで書いてます。北米でわずか4館の限定公開でスタートしたにも関わらず2500スクリーンに拡大しゴールデン・グローブ賞にノミネートされた本作。ちょっとした生きる活力をくれる心揺さぶられる号泣ムービーでした。
リリース情報
日本公開日:2015年9月4日
簡易感想
私的好き度:★★★★☆
笑える:★★★☆☆
泣ける:★★★★★
怖い:☆☆☆☆☆
スカッとする:★★☆☆☆
ドキドキする:☆☆☆☆☆
心があったまる:★★★☆☆
憂鬱になる:☆☆☆☆☆
映画感想
人生は報われないこと続きでも無価値ではない。それを認めてくれるのが他者である。
『一度でいいから勝て!』そんな台詞が映画の中で印象的でした。
人生は大抵上手くいかないものだと知ってしまった人間は、諦めと希望を混合させながらこう思うのでしょう。
願っては裏切られ、願っては裏切られを繰り返し、天文学的な確率でやっと希望を手に入れる。そしてまた何度も裏切られ続けるのが人生だと言っても過言ではないのかもしれない。そのようにまだ20代である私自身も薄々感じる今日この頃です。
この映画の主人公”ヴィンセント”の人生もろくでもないものです。一人で暮らし、酒にたばこにギャンブル。おまけに売春婦を雇い盗みもする。そんな普通の人のろくでもない人生にさらに磨きをかけた人生を経験したような日々を彼は送っています。
そんな彼の人生が隣に引っ越してきた少年”オリバー”との出会いをきっかけに輝きだす。私は彼の人生をみてスカッとした気分になれました。
しかしこれはそんな甘い映画ではありません。願いが裏切られ続けるという人生を現実的に描いた作品なのです。
彼の人生がまたいつものようにろくでもないものになってしまった時、「やっぱりそうだよね、上手くいかないものだよね」と慣れてしまった哀しさを感じてしまいました。
観ている大抵の平凡な方々の多くはこのようにヴィンセントと同じく心を上下に揺さぶられてしまうかもしれません。
じゃあただそんな人生をそのまま映画にしたのかというと決してそうではない。
この映画が言いたいのはきっと、頑張っても報われないこと続きの人生だけどもだからと言って決して無価値なものではないし、やはり希望はあるのだ。ということだと思います。
ヴィンセントは物語の途中にオリバーに「俺をマネるな」「しっかり生きろ」と言いますが、じゃあ果たして彼の人生は彼の言うように人に誇れるものではないのでしょうか。
夫に浮気された挙句、親権まで取られそうになっているオリバーの母親の人生は?
売春婦としてお腹にいる赤ん坊のために働くロシア人の女の人生は?
一見ろくでもない人生ではあるけれども、そんな人生に揉まれながらも真摯に生きている。報われないからと言ってそんな彼らの頑張りが無価値だと言えるのでしょうか。
しかしながら平凡な私たちは、自分の人生やそんな人生を送ってどうしようもなくなっている自分自身を無価値だと思ってしまうものです。だからこそ「そんなことはない」と自分を認めてくれる他者が必要なのでしょう。
そう、この映画が訴えかけることは自分を認めてくれる他者との繋がりの大切さです。報われないこと続きの人生を送る人間は、表面的ではなくしっかり内側まで自分を見て認めてくれる存在が必要なのです
「認められる」ということがどれだけ生きる活力となることか。
この映画を見て一般の人が心を揺さぶられるのは、この映画が我々のような人生を認めてくれる作品であるからです。
ヴィンセントや売春婦、オリバーの母親に共感し、観終わった後に心が浄化されるような感覚を持った人はきっと努力をしたことがある人でしょう。そしてその努力が報われなかった人です。人のために尽くしたのに報われなかった人です。人生は上手くいかないものだと知ってしまった人です。
しかしながら確かに人生に希望を持つことをほとんどやめてしまったけれども、そんな人生を認めて欲しいという思いは誰しもあるのではないでしょうか。
そんな思いを満たして確かにある希望を映し出す。この映画は見ている人に「ろくでもないけれどまた頑張ってみるか」と思わせ、生きる活力を与えてくれる映画なのです。
あらすじ
アルコールとギャンブルを愛する、嫌われ者の偏屈親父ヴィンセントは、隣に引っ越してきたシングルマザーのマギーから、彼女の仕事中に12歳の息子オリ バーの面倒を見るよう頼まれてしまう。嫌々ながらも引き受けたヴィンセントは、行きつけのバーや競馬場にオリバーを連れて行き、バーでの注文方法からいじめっ子の鼻のへし折り方まで、ろくでもないことばかりを彼に教え込んでいく。オリバーはそんなヴィンセントと反発しあいながらも、一緒に過ごすうちに彼の 隠された優しさや心の傷に気づいていく。http://eiga.com/movie/81272/
じじい”ヴィンセント”と少年”オリバー”の交流
この映画の魅力は何かと聞かれれば、心に響くメッセージ性とじじいと少年の交流と言いますね。それほどにビル・マーレイ演じるヴィンセントと少年オリバーの交流は本作で輝きを放っていました。
関係を持った経緯などは上記のあらすじを読んでいただければわかると思いますが、こういう年齢差のある関係のいいところは異なった視点を持っているからこそ気づきを与え合えるということですよね。
例えば『アバウトアボーイ』なんかもその良さを発揮している映画です。
ちなみにこのオリバー役を務めたのが、ジェイデン・リーベラという少年。
▼以下プロフィール
アメリカ合衆国ペンシルベニア州南東部にあるフィラデルフィア生まれ
2003年生まれで現在(2015年)は12歳
9歳の時に"Playing it Cool"という映画にてクリス・エヴァンスの子供時代を演じ映画デビュー。
その後2013年に『ヴィンセントが教えてくれたこと』でオリバー役として初めて大役を務める。
彼、可愛すぎますよね。個人的に低い声と小柄な体格のギャップが魅力的だと思いました。どこかの俳優のようにおちぶれることなく綺麗に成長することを願ってます。
▼インタビュー記事!
最後に
この映画は心揺さぶられるドラマ性に加え、台詞などにコメディな要素も多く含まれていて笑える映画でもあります。登場する子猫や、脇を飾るナオミ・ワッツのパンチラなど魅力は盛りだくさん。
オリバーがヴィンセントから教わったこと。それは単にいじめっ子に打ち勝つことだけではないのです。オリバーがヴィンセントを通して見つけたことは何なのか、それに注目してみるといいと思います。
サイモン・ペッグ主演のラブコメ映画『Man Up』!日本公開を祈願してご紹介!
サイモン・ペッグ主演映画『Man Up 原題』(マンアップ)
イギリスでは2015年の5月に公開されましたが、日本での公開を祈願してストーリーや予告などをご紹介します!
予告篇
ストーリー
34歳独身の”ナンシー”は両親の結婚記念を祝うためにロンドンに向かっていた。その途中、乗っていた電車の中で青い本を目印にこれからブラインドデートをすると言う女性に出会う。しかしその女性はあろうことか本を置き忘れて下車してしまった。ナンシーは追いかけるも”ジャック”に声をかけられる。そう彼こそブラインドデートの相手だったのだ。青い本を持っているナンシーは人違いであることを隠しそのまま嘘をついてデートをすることにする。しかしデートが盛り上がっている中、ジャックはナンシーが本当のデート相手ではないことを知ってしまう・・・。
主演が『ミッション:インポッシブル』シリーズのベンジー役でお馴染みのサイモン・ペッグ。そして『私にだってなれる!夢のナレーター嘆願希望』で監督・脚本・主演を務めたことのあるレイク・ベル。
本作はイギリス人であるサイモン・ペッグとアメリカ人のレイク・ベルが織りなすロマンティック・コメディです。
原題である『Man Up』とはくだけた言い方をするならば「しっかりしろ!」という意味。「男らしくあれ」という訳し方もできますがこの映画は主役が女性なので違うでしょう。
そしてストーリーのキーとなる”ブラインドデート”。馴染みのない人は多くいると思いますが、これは「仲介者を通して知らない異性と一対一でデートをする」というものです。まあブラインドデートというワードを知らなくても、経験したことがある人は意外と多くいそうですよね。興味がある方は以下のサイトを読んでみて下さい!
これまでコメディ作品から大作まで幅広く活躍してきたサイモン・ペッグですが、あれ?彼ってラブコメの主演やったことないですね?
ラブコメに出演だったりコメディ作品として恋愛に絡む役をしたことはありましたが、ラブコメとして主演をするのは初めてなはず。だからもうファンからしたらこの作品ってぺろぺろなんですよ←
レビューサイトIMDbでの評価は7.1でなかなかの高評価ですし、予告やレビューを見る限り”人生に前向きになれる”映画らしいですね。
どうか映画会社で働くみな皆様!日本での公開をお願いします。近頃急増しているサイモン・ペッグファンがぺろぺろしながらお待ちしています!
▼サイモン・ペッグの映画は面白い!
▼サイモンペッグの演技のコミカル力が伺えます。
ネタバレあり!『テッド2』パロディ・その他の元ネタまとめ
映画『テッド2』で登場したパロディや映画・ドラマ作品、俳優などの元ネタを、ネタバレをしつつご紹介!
▼ネタバレなしはこちら!
以下、元ネタ14個!
1.Law & Order
アメリカの刑事・法廷ドラマ。テッドとジョンが披露する替え歌はこのドラマのオープニングの音楽が元になっています。
2.ジュラシック・パーク
スピルバーグ監督によって製作されたアメリカの映画。テッドらが大麻を見つけるシーン。『ジュラシック・パーク』のテーマ曲と共に、恐竜を見た時に使われた「群れで動いてる」という台詞が本作でも使用されています。
3.ゴラム
『ロード・オブ・ザ・リング』に登場するキャラクター。その目の大きさからアマンダ・セイフライドが演じる新米弁護士がテッドに「ゴラム女」と呼ばれる他、コミコンにてゴラムのコスプレと対面するシーンがあります。
4.サミュエル・L・ジャクソン
アマンダ・セイフライドが演じる新米弁護士の名前である「サマンサ・レスリー・ジャクソン」と似ているという理由で名前が登場します。『アベンジャーズ』にも出演する超有名俳優ですが、サマンサは名前も聞いたことがないという設定。
5.リーアム・ニーソン
映画『96時間』シリーズで有名なアメリカの俳優。本作では『96時間』シリーズのキャラクターとしてテッドの勤め先のスーパーに登場します。
6.ジョナ・ヒル
アメリカの俳優・声優・コメディアン。コミコンにおけるシーンにて、新「スーパーマン」として名前が登場します。
7.フラッシュ・ゴードン
同名コミックを原作としたアメリカの映画。前作同様、主役のフラッシュ・ゴードンを演じていたサム・J・ジョーンズが本人役で登場します。
8.アイアム・レジェンド
地球にただ一人取り残された主人公を描く映画。サム・J・ジョーンズの精子が一つしかないことの例えとしてタイトルが登場します。
9.ブレックファスト・クラブ
アメリカの青春映画。テッドとジョン、そしてサマンサが図書館で踊るシーンがこちらの映画のパロディです。
10.コミコン
参加者がコスプレで参加するオタクの祭典。本作でも『ミュータント・タートルズ』や『スター・ウォーズ』など様々なコスプレが登場します。
11.Roots
テッドが人権侵害を蒙る自分を重ねながら見るテレビドラマがこちら。黒人奴隷を真正面から描いた社会派ドラマです。
12.Sweet Caroline - Neil Diamond
13.Tiffany - I Think We're Alone Now
テッドがミュータント・タートルズのコスプレをして身を隠したドニ―を見つけるために使う曲。
14.Swing Time - Rogers and Astaire
オープニングのミュージカル風のクレジット。はっきりと元ネタかどうかは不明ですが確かにこちらと似ています。
最後に
この映画は絶対に元ネタ知っていた方が楽しめますよね。たまたま知っている元ネタが多かった私はかなり笑わせられましたw(まわり笑ってなかったけども←)
※ちなみに字幕で観賞したため吹き替えでの変更があったとしても全くわかりません。ご了承下さい。
▼感想はこちら!
恐竜!熊!スパイ!キングボブ!?2015年夏映画を振り返る!
すっかり秋に突入しましたので、2015年夏(7.8月)に見た映画を振り返ってみました。いやー、有名どころばかり見たというのもあるけど、見る映画全部面白かった・・・!
以下、映画14作品を振り返り!
1.アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン
好き度:★★★★☆
映画『アベンジャーズ』の二作目。前作よりもヒーローたちがヒーローらしくなっていて、チームらしくもなっていたなという印象。とにかくかっこいい!かっこいい!かっこいい!!!!!しばらくの間は「外に出たら君もアベンジャーズだ」という台詞を胸に、心はすっかりアベンジャーズヒーローでした。
2.映画ひつじのショーン バック・トゥ・ザ・ホーム
製作国:イギリス / 上映時間:85分
好き度:★★★★☆
『ひつじのショーンシリーズ』の長編映画。ちゃんとした台詞がなくてもこんなに楽しめるなんて・・・!テレビシリーズ同様、くすくすと笑われっぱなし。さらに、感動させるストーリーで涙もほろり。多くのパロディにも楽しむことができて、かなりクオリティが高かったと思いました。観終わった後はパンフレットと、キーホルダーを購入。DVDの購入も検討したいですね。
3.バケモノの子
好き度:★★★☆☆
『サマーウォーズ』で有名な細田守監督の最新作。バケモノの世界に迷い込んだ少年の成長物語で、王道ストーリーの良さを実感。バケモノと人間の違いは、心に闇を抱えているかどうか。それを一つのテーマに置きながらも、成長、親子愛をメインに描き、夏らしく爽やかな映画になってました。
4.インサイド・ヘッド
5.人生スイッチ
アルゼンチンで爆発的にヒットした、最強のブラックコメディ。ここまでされたら、他のブラックユーモアなんて大したことないと思われても仕方ないですよ。あまりの振り切り具合に、引いた人と「最高すぎるだろ!!!」という感想を持つ人が二つに分かれた印象です。私はというと「最高すぎるだろ!!!」という感想を持った人間でして、映画館でも大爆笑。しかし、あまりに異色すぎて何とも言えない部分も多いです(笑)
この夏一番強烈な映画でした。
6.ミニオンズ
7.進撃の巨人 ATTACK ON TITAN
8.ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール
好き度:★★★☆☆
お洒落でポップなミュージカル映画。これは沼映画(ハマる人はめちゃくちゃハマる)だと思うんですけど、思った以上にハマれませんでした・・・!いやーすごく作り手の才能が溢れていて、空気感は好きなんですけど、ストーリーが薄いなと。青春の痛みを期待して観すぎると、物足りなさが残るかもしれません。まさに”長いPV”なので、何かしながら家で流して、お洒落な気分にひたってみたいですね。
9.BORUTO NARUTO THE MOVIE
好き度:★★★★☆
連載が終了したNARUTO映画の最新作。本作はナルトの息子世代が主役です。
まず一言。「最高でした。」
期待をはるか上空で飛び越え、今年の夏最も期待を越えた映画となりました。これがあのナルト映画!?と観る人は絶対に思います。明らかにストーリーの質が前作より高い。そして、アクションシーンは鳥肌もんで、がっちりとナルト好きの涙を誘う。エンドロールは今まで見た映画の中で一番感動しましたし、最後まで「NARUTOを好きで良かった」という気持ちがおさまりませんでした。岸本先生に感謝感激です!
10.ジュラシック・ワールド
好き度:★★★★☆
※後述予定。
11.ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション
好き度:★★★★★
私の大好きなミッションインポッシブルシリーズの最新作。前作超えたーー!!!!!イーサンハントとんだーー!!!!ベンジー可愛すぎるーー!!!!太ももーー!!!なんか、もうミッションインポッシブル大好きです!!!まさか、五作目にして前作を越えるとは思いませんでしたよ。これまでよりもエンターテイメント性が強まり、これまでかってくらいに見る人を楽しませにかかってきます。次回作も今から大変楽しみで仕方ありません!!!
12.ナイトクローラー
アカデミー脚本賞ノミネート
好き度:★★★★☆
報道専門のパパラッチを仕事とする男の後味の最悪なサクセスストーリー。予告を見てから期待していたジェイク・ギレンホールの狂気じみた演技にはただただ感服。意外や意外な作品のメッセージ性のユニークさが素晴らしく、アカデミー賞脚本賞にノミネートされただけあります。見る側が”目撃”する狂気の溢れる現場に漂う緊張感にピリピリと刺激されました。
13.テッド 2
変態熊が暴走する下品な爆笑コメディ「テッド」の続編。今回も前作同様のクオリティの下ネタでした。映画好きと男の欲望が溢れて爆笑の連続ですwwそして前作を上回るパロディの量。人権問題も何もかも「ただやりたかっただけだろう」という一言でこの映画を語れそうです。
14.バレエボーイズ
ノルウェーのドキュメンタリー。バレエダンサーを志す少年3人の悩んだり葛藤しながらも少年から青年へと成長していく様子を描いています。12歳から16歳までの4年間がどれほどに彼らの人生で意味がある時間なのか。そんな大切な4年間で仲良し三人組の少年たちが、それぞれ自分自身の人生を歩もうとする姿にリアルな人間の成長を感じることが出来ました。それと少年の可愛さが際立っています。
最後に
花火大会を見に行く人はいなかったけど、最高の夏でした!!!!!!←
▼映画の秋だー!9月の注目映画はこちら!
パロディだらけの『テッド2』を観る前に知っておきたい映画知識9つ
映画『テッド2』はかなーりパロディや映画作品、俳優の名前が登場します。知っていた方が楽しめるのは間違いないので、映画に詳しくない人でも『テッド2』を100倍楽しめるように、知っておくといい映画の知識をまとめてみました。※ネタバレなし
▼観賞済みの方向け!映画以外も含めたまとめはこちら!
以下、元ネタ9つ紹介!
1.ジョナ・ヒル
アメリカの俳優・声優・コメディアン
近年はダイエットをしてイメージが変わってきているが、太ったコメディアンとして広く認知されています。
2.ジュラシック・パーク
2015年夏に公開した映画『ジュラシック・ワールド』のシリーズ第一弾。
全編見る時間のない方はとりあえずこの動画を見て下さい。
3.ゴラム
『ロード・オブ・ザ・リング』に登場するキャラクター。この見た目だけわかってればよし。
4.サミュエル・L・ジャクソン
近年では、「アベンジャーズ」や2015年秋に公開の「キングスマン」に出演。
「パルプフィクション」など数々の名作に出演している俳優で、とりあえず「サミュエル・L・ジャクソン、サミュエル・L・ジャクソン、サミュエル・L・ジャクソン」と三回くらい口に出してみましょう。
5.フラッシュ・ゴードン
コミックが原作のアメリカ映画。前作『テッド』と同様、スーパーヒーロー!フラッシュ・ゴードンを演じていたサム・J・ジョーンズが本人役で登場します。
6.リーアム・ニーソン
映画『96時間』シリーズで最強の父親を演じていることで有名。存在自体が凶器。
7.アイアム・レジェンド
ウィル・スミスの主演映画。地球でたった一人になってしまった男を描いた作品。
8.コミコン
オタクの祭典。参加者はアメリカンコミックのキャラクターやドラゴンボールなどのキャラクターのコスプレをして参加します。
9.ブレックファスト・クラブ
アメリカの青春映画。ずばりこのシーンに注目です。かなり良い作品なのでテッドよりもこっちを観て欲しい(真顔)
最後に
その他、本作には映画以外のパロディや作品が多く登場します。例えば、海外ドラマ「Law & Order」のオープニングもその一つ。おそらく全てただやりたかっただけでしょうがまんまと笑わされました。
▼「Law & Order」のオープニング(予告でもテッドらが替え歌を披露してます)
▼『テッド2』の感想!
▼参考サイト